池塘春草夢

長文になるときに使う、テキトーに。

読書マップ(ビザンツ)

弱小twitterユーザーの自分としてはかなり反響あったのでちょいと備忘録的にまとめておく。

 

そもそもは渡辺金一「中世ローマ帝国岩波新書1980の4章を読み返しつつ、いまだに良くわからないの俺だけなのか?

とか思いつつ、この入門書っぽいタイトルと新書の皮を被った書籍を軸にネタ投稿した所、割と見られて焦ったのが発端。

 

 

 

ちょうど岩波さんがツイッターで読書”白”マップ公開してたので、

これで「中世ローマ帝国」が新書の皮を被った初見殺しであることを表現できるのでは?とか思い立って描き始めた。

 

の、だが、単純に中学から高校、大学、現在に至るまで、いろいろなものを注いで買って読んで集めて並べて、そうした過程を思い出してすごく楽しかった。

この読書MAP、ネット上でも多くの人が自作のものを作っているが本当に見ていて面白い。泣きそうにもなる。

 

どちらかというと最初の目的から外れて入門書から沼にはまる過程

 

MAPもしくは沼回避するにはMAPの類になってしまった。

急いで作ったのでとにかく多くの本を取りこぼした。 

 

 

あまり何度も投稿するものでもないだろうので、多少修正とコメントを付したものをここに貼っておく。

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ついでに追記した本についても軽く紹介しておく。

①副読本

図版が豊富で文章中の表現等が気になったときに参照するもの

 カプラン「黄金のビザンティン帝国創元社
 根津由喜夫「図説ビザンツ帝国河出書房新社

 Byzantium1200「WALKING THRU BYZANTIUM」

                 SULTANAHMETMAGAZINE

Byzantium1200のウェブサイト(一部リンク切れ)で公開されていたモデルの書籍版

youtubeチャンネルは残っていて、3D再現モデルが見れる。  

https://www.youtube.com/user/Byzantium1200?feature=watch

ビザンツ関係ないけど今はバビロンの3Dモデル作ってる模様

http://www.kadingirra.com/

②旅行案内

澁澤幸子ほか「イスタンブール歴史散歩」新潮社

ビザンツだけじゃないけど、見てるだけで楽しい

③各論
明治大学人文科学研究所編「巡礼」風間書房

 本題関係ないけど、現地のビザンツ時代の碑文が読めなくて悔しくて

 滅茶苦茶独学した話が正に研究者で好き。神の添え名とか、いろいろ興味深い。
根津由喜夫「ビザンツ幻影の世界帝国」講談社選書メチエ

 コムネノス朝期をより詳しく。他者認識、自己認識も
落合仁司「ギリシャ正教無限の神」講談社選書メチエ

 安易に神学に分け入ってはいけないということだけが心底伝わってくる。
Rブラウニング「ビザンツ帝国ブルガリア東海大学出版

 周縁地域の研究、中国と周辺地域との関係と似た展開もあるように思う
太田敬子「ジハードの町タルスース」刀水書房

 やはり周縁地域の話は面白い、捕虜交換、住民同士のかかわり

 そしてサラセン人も恐怖に蒼ざめて死ぬ。
浅野和生「サンタクロースの島」東信堂

 サンタの元ネタを祀る聖堂の発掘話、「エロイカより愛をこめて」のエピソードの元ネタにもなったらしい。
橋口倫介「中世のコンスタンティノープル講談社学術文庫

 各論非常に興味深い、食事、料理事情等の情報は珍しい。
高橋保行「ギリシャ正教講談社学術文庫

 ギリシャ正教についての包括的概論として読むならこちら。