キャッシュフロー見積法による貸倒見積額の計算
元本からキャッシュフローの現在価値合計を引いた額を貸倒見積額とする。
すなわち利子率引き下げに伴う債権の評価損分を貸倒見積額としている。
したがってキャッシュフロー見積り法は、少なくとも
債権の「これからの」貸倒しリスクの計算ではない。
仮に以下の条件で考えてみる
\1,000,000 利率5% 貸付期間2年とする。
貸出後まもなく、見事に貸倒が懸念され利率を2%に下げることで話がまとまったとする。
当初予定では\50,000*2の利息がつき\1,100,000返って来る予定であるが、
残念ながら利息は\20,000*2となり将来の回収額は\1,040,000となる。
この\1,040,000円を元々の利率5%で回収するのに必要な現在価値は
1040000/(1.05)^2≒943311
と計算され、実際貸付高との差額が利率を引き下げた事による債権の評価損となる。
1000000-943311=56689
この\56,689を貸倒見積高として貸倒引当金とする。
さて、利払日と決算日が同日かつ1年後だったとして1年後の貸倒見積額を考えてみると
回収予想は\1,020,000であるから
1020000/1.05≒971429
1000000-971429=28571
と計算され、貸倒引当金は\28571となる
仕訳を行えば
現金預金 20,000/受取利息 20,000
貸倒引当金 28,118/受取利息 28,118
利率減少に伴う実際の利益の減少は、これから受け取る利息が
想定より減ることによる利益の減少として現れるので特に気にしなくてよろしい。
減額は受取利息で計上し、当然だが引当金は完済時に0となる。
と、いうことらしい。