池塘春草夢

長文になるときに使う、テキトーに。

やっぱり農林業は盛んであると思われる

不都合な真実」を教育しない、小学4年地域版社会教科書
http://anond.hatelabo.jp/20130616020650


なんとなく気になったので、ちょいと檜原村公式サイトの情報で考えてみた。



以下のデータはすべて檜原村のサイトの"行政情報>檜原村の情報"から取った
http://www.vill.hinohara.tokyo.jp/gyousei/01_gaiyou/


産業別人口調査によると
平成07年度人口3695人(1249戸)で労働人口1653人に対し一次産業は96人となっている。
一次産業の人口比率は年度ごとに以下のようになる
平成07年度5.8% 96人/1653人(1249戸)
平成12年度3.4% 50人/2537人(1280戸)
平成17年度4.4% 57人/1275人(1244戸)


恐らく地域版社会教科書の畑・林業3%という記述はこの数字だろう。



さて、この村には50人程度しか農林業をするものは居ないのだろうか?
"農家と山林(農林業)"の項目を見てみよう。


平成12年度の数字を見ると以下のことが判明する。
農家231戸
林業240戸


農家だけで231戸あるにもかかわらず一次産業従事者が50人という数字は普通に考えればあり得ない。何らかの理由で一次産業従事者にカウントされていない人が居るということが判る。



さて、ここで専業・兼業のデータが農家に関してのみ存在するのでそれをチェックしよう。


兼業データは平成7年度のものまでしか無いのでこちらで我慢しなければならない。
農家286戸に対して33戸が専業である。これは農家の11%に当たる。
林家については12年のデータしか無いが240戸である。仮に専業が同程度であると仮定して26戸が専業となる。


年度が合わないので雑な議論ではあるが専業を合わせて
33+26=59戸
農・林業の兼業が何世帯か存在するとは思われるが、この専業59戸という仮定は07〜17年までの一次産業従事者の数字と概ね近い数字を指す。
はっきりと断定はできないが一次産業従事者は専業者をカウントしている可能性が高いと考えられる。更に次の推察は根拠がないものの、地域版社会教科書のグラフに示された"その他26%"という数字は兼業農家、兼業林家のことではないかと推察される


さて、それでは村で農・林業に関わっている世帯の割合を見てみよう。


平成12年の村の戸数は1280戸であり、先ほど紹介した戸数でみてみると
農業は18.0%
林業は18.7%
(戸数ベース)


重複はあると思われるが、林業・農業に3割強の世帯が関係し、また、それに付随した関連産業もあることを考えれば、村に占める農林業の影響力は相当な物があると想像できる。
これなら十分、農林業は盛んであるということが出来るのではないかな。


疲れたので他の東京都内の村や町との比較、村の労働形態、金額ベースでの村への影響力的な話は調べない。


まーそんなわけで恐らくは"小学4年地域版社会教科書"の記述は間違ってないでしょう。


インターネット便利すぎて禿げ上がりそうだね。
すごく大雑把かつ一気に書いたので何かお気づきの点があればご指摘ください。