先日出たニュースで
"経口中絶薬の価格について、WHOによると海外での平均価格はおよそ740円であるとして、国内で承認された場合は安価な料金で処方されるようにしてほしい"
との部分と
"日本産婦人科医会は、処方は当面、入院が可能な医療機関で、中絶を行う資格のある医師だけが行うべきだとしていて、木下会長は「医師は薬を処方するだけでなく、排出されなかった場合の外科的手術など、その後の管理も行うので相応の管理料が必要だ」と述べて、薬の処方にかかる費用について10万円程度かかる手術と同等の料金設定が望ましいとする考えを示しました。"
とのコメントから、同記事中にも
"▽海外ではオンラインで診察し、処方している国もある"
とあるにもかかわらず、Twitter上では高すぎるとか日本の後進性だとか色々と話題が広がっていた。
薬単体の値段と、診療パッケージの値段比べてどーすんのか、などとおもったのだが
まぁ、専門家が批判されてるような、そんなつまらんことするかね?ということで軽く調べてみた。
まずは中絶薬がどのように用いられているか。
2001年にアメリカで導入された頃の事例を発見した。
3回通院が必要で、
1回目 診断と説明、投薬
2回目 数日後検査、必要に応じて投薬
3回目 2週後検査、失敗時は外科中絶
との流れが説明されている。結構大変そうですね。
続いてアメリカの現状について
”
Typical Abortion Costs in Rochester and Buffalo, NY
Medication Abortion / Abortion Pill (within 10 weeks gestation): $350-$650
Cost of abortion pill with insurance: $350-$650
Cost of abortion pill without insurance: Up to $10002
Cost of abortion pill online: Not available legally3 in the US
Cost of Abortion Pill at CVS: Not available by prescription
Suction Aspiration / Vacuum Abortion (6-12 weeks gestation): $600-$1000
”
NY州における典型的な中絶薬による中絶費用
・保険適用後350ドル~650ドル(4万~7万円)
・無保険1000ドル(11万円)
・オンライン処方(法的に認められていない)
・薬局(購入不可)
外科的中絶コスト600~1000ドル(6.5万~11万円)
あまり変わらない上に、日本産婦人科医会が言うコストとほぼ変わりがない。
あとは保険適用となるかどうかくらいでしょうか。
続いて、中絶薬のみを購入する方法を指南するサイトによれば
"6. How much do the pills cost? "
"8. How can I know if the pills are real and not counterfeit?"
等という項目が存在し、説明されている様に、粗悪品、偽造品を高く売りつける悪徳薬局が存在していることが示されている。
そして、基本的に処方箋が必要で、無しで買いたい場合は
"organizations that support people to self-manage their abortions"
な組織から購入できるなどと説明されている。
自分の体なのでまぁ、リスク判断の上好きにすればいいんだけど、
処方箋無しで"見知らぬ女性の身体の自己管理を応援する団体"が販売する薬とか信用する・・・?
みたいなお気持ちがですね・・・。
NHKの記事でも紹介されてる治験の軽症から重症までの報告を見るとなかなかリスクがありそうな気がしますが。
なお厚生労働省によると
※ ミフェプリストンについては、数量に関係なく、医師の処方せんまたは指示書に基づき必要な手続きを行わない限り、個人輸入することはできません。 |
そもそも個人輸入禁止だそうです。
ちなみに
コロナ禍において通院の困難性により、遠隔診療との組み合わせで郵送で薬を受け取ることが可能になったのですが、それが恒久化したそうです。
では、そのオンラインの場合の合計費用は?という話なのだが、
詳細は各センターに問合せろ、とのことではっきりしないのだが、
上記のサイトによれば
"Abortion pills can cost anywhere from $40 to $600."
とある。おそらくこれは以前のサイトの情報と突き合わせると保険診療のコストと思われるが、5000円~7万円程度とかなり安い費用が提示されている。
日本でも導入から時間がたち遠隔提供も可能になればもう少し安くなるのかもしれません。
まぁ、そんなこんなで、いろいろと見るに堪えない批判が飛び交ってますが、導入直後からオンラインで提供なんてことは病院側もなかなか責任が取りづらいでしょうから、スタートが診察投与通院予後観察込みで10万程度(保険外)、というのは妥当な額なんじゃないかなぁなどと、少なくともアメリカの事例を見る限りでは思った。
なんにしても外科的手術というのは精神的にきついものはあるだろうからそれが投薬とその副作用に変更できるなら多少は楽になるというのは当然あるだろうから、徐々に導入されていって望む人のところに届けばいいなぁなどと思いました。